DNA
僕はマザコンだといわれても仕方ないほどお母さんを愛してる
料理が上手くて面白くて優しくて強くて、僕をこの世の誰よりも愛してくれていて、健全な意味で本当に愛してる
そのことを笑う人がいたら、別にいいし、本当の愛を知らない可哀想な人だと思う
「相手のためならしんだっていい」
僕はそんな愛を当たり前と思って生きてきたから、世の中の欺瞞まみれのその場しのぎのインチキの愛に心底がっかりしている
だから今回も僕は心を閉ざして、お母さんに電話をした
中学生のときと一緒だ
あのときも僕は最初お母さんから卒業しようとした
でも世界はとてもくだらなくて、風見鶏のような安っぽい愛が蔓延していた
だから僕はそのときもお母さんに戻った
まるで母親に抱っこされた状態から興味本意で何かを手を伸ばし、それに噛み付かれ、また母親に抱きついた子どものように
それが今回も起きた
僕はもういいんだ
君たちの安っぽくてインチキでくだらない恋愛ごっこにはもううんざりなんだ
言葉だけで風見鶏で全然心の通じ合わない、そんな愛は愛じゃない
来年の6月くらいまでは戻ってきたくない
もうこりごりなんだ
うそつきばっかり
しんでくれ